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巻頭言 デジタルトランスフォーメーション

最近デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉を見聞きすることが多くなった。ただしその言葉が表していることはいまだばらつきがあり、日本企業は捉えがたい概念をなんとか捉えようと試行錯誤しているようにも見える。

概念としてのデジタルトランスフォーメーションは「デジタル化によりビジネスパフォーマンスを加速させ、新たな事業価値の創出へと導いていくことであり、その結果としてビジネスモデルを抜本的に変え、これまでにない産業構造を生み出していくこと」であると考えられる。その概念を理解し、実際の企業活動に生かしていくためには、全体像とその構成要素について具体的な事例をもって理解していくことが特に有用である。

デジタルトランスフォーメーションを構成要素に分ける軸やそれを組み合わせたフレームワークはいくつも考えられるが、例えば「事業価値創出の段階」×「機能としてのデジタル」といった組み合わせがあり得る。

事業価値創出の段階

  1. デジタルによる社内オペレーションの改善(例:RPAによる人件費削減)
  2. デジタルによる自社ビジネスの改善(例:データに基づく営業・マーケティング、カスターマーエクスペリエンス向上など、売上向上に関わる活動)
  3. 近接ビジネス創出によるマネタイズ(例:データ販売、データを生かした広告収入など)
  4. デジタルによる自社既存ビジネスの抜本的な変革

機能としてのデジタル

  1. データ取得
  2. データクレンジング
  3. データのAI活用を含めた解析
  4. 解析内容の各産業特性への変換と適用
  5. データを生かすデジタルプラットフォームの構築

また、デジタルトランスフォーメーションは企業内の人材が担う改革であり、デジタル人材の育成・登用が急務となってきている。デジタル人材は、実務を担うデジタルネイティブな社員と企業全体のデジタルに関わる活動の責任者である最高デジタル責任者、並びにその中でも特にデータ領域に特化したマネジメントである最高データ責任者(CDO)に大きく分かれる。日本企業はいずれも欧米企業に対して後れを取っていると言われるが、特に最高データ責任者はいまだ認知も低く、今後の育成・登用については対応が必要である。

本特集号では、デジタルトランスフォーメーションの全体像を説明するとともに、特に上記の「事業価値の創出の段階」の4「デジタルによる自社既存ビジネスの抜本的な変革」について、事例を紹介しながら解説する。また、日本ではまだ導入例の少ない最高データ責任者についての機能や役割を紹介する。今後、不可逆的に進んでいくデジタルトランスフォーメーションの中で貴社が勝者となるための一助となれば幸いである。


執筆者

服部 真

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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Strategy& Foresight

ストラテジーアンド・フォーサイトは、PwCネットワークの戦略コンサルティングチームStrategy&が、経営戦略についてのさまざまな課題をテーマに、経営の基幹を担われている皆さまに向けて発行する定期刊行物です。日本企業の方に興味を持っていただけると思われる記事をリーダーシップチームのメンバーが執筆、また欧米で刊行している季刊ビジネス誌「strategy+business」およびグローバルで刊行している冊子や調査報告書の中から抄訳し、ご紹介させていただいております。

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