The Critical Few

組織文化は強力です。そして、最も優れたリーダーは、その活用方法を知っています。

最高の企業文化を育む「少数」の法則
あらゆる変革への取り組みが成功するか否かは、リーダーが組織文化をどのように関与させるかにかかっています。しかし組織文化は、他のビジネスに関する主題とは異なっています。それは、明示的ではなく暗示的、理性的なものではなく感情的なものです。組織文化を活用するのは困難な一方、それが強力な推進力にもなり得る理由はそこにあります。

ジョン・カッツェンバック
PwC Strategy&における企業文化変革研究・実践の中心拠点、カッツェンバック・センターの創始者。ジェームズ・トーマスとグレッチェン・アンダーソンと共同で“The Critical Few”(最高の企業文化を育む「少数」の法則)を著す

“The Critical Few”は、組織文化変革の実践に関して、個別事象の細部からハイライトに至るまで描写し、包括的な変革モデルの段階的施策をただ押し付けるのではなく、複合的なストーリー形式で、文化を変革するプロセスそのものが多面的な冒険であることを表現しています。

エドガー H.シャイン氏  MITスローン・スクール・オブ・マネジメント名誉教授で、著書に『組織文化とリーダーシップ』『ハンブル・リーダーシップ』

習慣付けに関する研究者として、“The Critical Few”を賞賛します。本書はシンプルであること、熟考し目的意識を持つこと、重要なことに集中すること、という規律に従うようリーダーを導いてくれます。最も素晴らしい点は、本書が組織の全階層のリーダーたちに対し、本を閉じて人間と対話してチームを構築するという重要な仕事に着手するよう呼びかけているところです。

チャールズ・デュヒッグ氏  著書に『習慣の力 The Power of Habit』『あなたの生産性を上げる8つのアイディア』など

本当に大事なものを選択して、企業文化を活性化しよう

“The Critical Few”はカッツェンバック・センターが開発した、企業文化における最も重要な四つの要素を特定して活用する方法を述べています。

形質(Traits)

人々の行動様式の特性、あらゆる組織の中核にある家族的類似性(family resemblance)。社員が共有する仕事上の前提で、社員と仕事との感情的なつながりの核となる。 

行動(Behaviors)

個人の時間の過ごし方、意思決定の方法、職務遂行の方法、人々が日々「何をする」傾向にあるかのパターン。

真の非公式リーダー(Authentic informal leaders)

組織のあらゆる階層に存在する高度な感情的な直観力または社会的ネットワーク(emotional intuition or social connectedness)と、他者への強い影響力を持つ人々。

文化の測定(Measurement)

進捗を追跡するための、統合的で思慮深い文化の測定は、持続的な真の変革の自己強化的サイクルを育み、事業の業績との相関性を高めます。

組織文化に集中する理由

職場における文化をもはや過小評価したままにすることはできません。50カ国で2,000名以上を対象としたカッツェンバック・センターの「グローバル組織文化調査(2018)」によると、80%もの回答者が「企業が成功し、成長し、優秀な人材を確保するには、今後3~5年間で組織文化が進化する必要があると思う」と答えました。これは2013年の51%から増加しています。

「組織文化のギャップを減らす」について詳しく読む(英文)

"Where organizational culture is headed"について詳しく読む(英文)

組織文化を重要な戦略的課題と見なす経営陣および取締役会メンバーの数は増加しています。実際、2013年には64%でしたが、今回は71%が「企業文化は自社の経営陣が重要視する課題である」と答えました。また、「企業戦略やオペレーティング・モデルよりも組織文化の方が業績にとって重要である」と答えたのは65%にのぼりました。ただし、組織文化の影響が現実に事業結果に現れるためには、組織文化、戦略、オペレーションを調整することが必要です。

「組織文化のギャップを減らす」について詳しく読む(英文)

"Where organizational culture is headed"について詳しく読む(英文)

経営幹部と、一般従業員の間では、自社の組織文化に対する捉え方が顕著に異なります。そうしたギャップの存在自体が、あらゆる企業の経営陣が直面する恒常的な課題を示唆しています。課題とはすなわち、組織文化が目指す高邁な理想を日常業務に落とし込み、目標達成のために他者を巻き込んでいくことです。

幸運にも、このギャップを減らす方法はあります。経営幹部は、組織文化、およびそれを形成する日常的な行動様式をより深く理解することを通じて、自社の事業目標を達成する新たな機会とともに、その取り組みを推進するための新たな味方を見つけることができるのです。

「組織文化のギャップを減らす」について詳しく読む(英文)

"Where organizational culture is headed"について詳しく読む(英文)

事例紹介

将来的な課題に直面する石油会社

中東の国営石油会社は、人材の人口動態の変化、および競争の激化する外部環境に直面していました。 

この新たな環境で成功するために、同社は野心的な長期戦略計画を策定しました。経営幹部はやがて、計画が成功するためには、既存の組織文化の強みを活用して、組織から感情的な結びつきを得ることが必要であると気付きました。PwC Strategy&と協働して、四つのクリティカルな行動様式を特定し、それらを一連のパイロット計画として導入しました。最終的に、行動様式の変革を直接的要因として、事業業績の改善が達成されました。

経営危機から立ち直った自動車メーカー

破産の危機に直面した北米の自動車メーカーは、形式的な組織再編に続いて、深層部に根付いた組織文化の改善に取り組みました。戦略修正とコスト最適化だけでは、十分な効果が現れなかったのです。組織文化を持続可能な形で進化させるため、同社の経営幹部が自ら、新たな行動様式の模範を示すとともに、組織全体に行動様式を急速に浸透させるために「真の非公式リーダー」を活用しました。最終的に、これらの取り組みは、より迅速な意思決定、説明責任の向上、顧客や製品への注力強化という成果をもたらしました。

IT企業が動機づけを再発見

経営幹部交代が相次ぎ、市場における業績低迷に苦しんだ後、あるテック企業のCEOは、自社の組織文化に問題があるのではないかと考えました。同社は歴史も長くプライドを有する企業でしたが、方向性を見失っているように見えました。PwC Strategy&は同社が、その価値観、コアな原則、リーダーシップの属性、行動様式、組織文化を差別化し魅力を与えている「意欲を奮い立たせる叫び」から成るエコシステムを再定義するのを支援しました。メッセージを拡散し行動様式を定着させるため、世界85カ国で1250名の「プライド形成者」を活躍させました。その結果、1年後にエンゲージメントのスコアは10%改善しました。

最適化された多様性あるチームを編成

オーストラリア・ニュージーランド・東南アジア地域(ANZSEA)に展開する銀行グループは、急速な非有機的成長を経験したため、社内に多様で、時に正反対ですらある働き方が併存しつつ、野心的な5年計画を実現したいと考えていました。PwC Strategy&は、この銀行が部署やさまざまな国・地域にまたがる組織文化の強みを把握し、それらを戦略的優先課題への取り組みを加速させるために活用できるよう支援しました。最初に、経営幹部と協働して、既存の組織文化、サブ組織文化を特定しました。まず行動様式の長いリストを作成したあと、それらを三つのクリティカルな行動様式へと集約させて、それらの行動様式を4万人以上いる従業員の全階層へ浸透させていきました。

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