デジタル自動車レポート2021

「ニューノーマル」に向けた加速 第1章 世界のモビリティ市場のダイナミクスを評価する

Strategy&では、世界の自動車産業の動向を詳細に分析する『デジタル自動車レポート』を毎年発行しております。第10回目は、日本をはじめ、米国、EU、中国を中心とする自動車メーカー、サプライヤーの主要幹部、著名な学者、業界アナリストへのインタビューを基に2035年までの定量的な市場予測を行っています。また今回は、日本市場版として、日本の消費者に関する調査結果の詳細を「日本の消費者のニューノーマル」にまとめています。

第1章の概要ーサステナビリティおよび新規参入企業からの競争圧力に対する市場の注目の高まりが、自動車業界のコネクテッド、電動化、自動運転およびスマートモビリティ戦略に大きな影響を与えている

  • 中国では消費者の97%が、CO2排出量改善のためにモビリティの選択を変えることを望んでおり、それぞれドイツでは70%、米国では52%となった。
    排出削減目標を達成するための手段として、中国と米国では電気自動車への切り替えを好ましいとする回答が多く、ドイツでは徒歩や自転車の利用を増やしたいと考えている
  • 2035年までの自動車総保有台数は、欧州(年率0.6%減)と日本(年率0.9%減)で停滞する一方、米国と中国は、1)モビリティ需要の増加、2)自家用車所有意識の増加、および3)車両処分率にけん引され、米国では微増(年率1.3%増)、中国ではより大きな伸び(年率3.9%増)が予測される
  • 車両のコネクティビティは進んでおり、欧州では2025年(米国では2023年、中国では2029年)までに自動車総保有台数の50%がコネクテッド車両になる。自動車メーカーは、コネクテッドサービスの顧客基盤が最低必要規模に達しつつあるが、依然として信頼性の高いサービスの大規模展開(無線によるアップデート機能)に苦戦している
  • 電動モビリティは、政府による強力な推進策(インセンティブと規制)に後押しされて、欧州では転換点を迎えており、2025年には新車販売台数に占めるBEVの割合が27%と、中国(19%)、米国(6%)、日本(5%)の先を行く。充電インフラの構築がなかなか進まないことが、近い将来、成長を妨げる最大のハードルとなる
  • 自動運転の見通しは昨年と同様で乗用車においては、規模拡張しづらい特定要件を伴う自動運転技術が幅広いユースケースで市場に浸透する可能性が高い
  • パンデミック下においては、消費者が車両や乗車のシェアリングに対して消極的であるものの車の所有という枠を超えたスマートモビリティの形態は、長期的には成長することが予想される

日本市場版の概要

  • コネクテッドサービスについては、他国と同様に特に安全性とナビゲーションに対する関心が高い。支払意思がある消費者は8割にのぼるが、他国と比較してコネクテッドサービス全般への支払意欲額がやや低い
  • (価格・インフラ面の課題を除けば)日本においても2割の消費者がBEV購入を検討しうる。また日本では、高齢の消費者ほどBEV購入に積極的である
  • 日本では回答者の7割が自動運転車の利用に前向き。低速/駐車時のみ利用したい意向も強い。自動運転で得られた時間の使い道としては、日本ではリラックスや心身の回復(睡眠など)が特に高い点が特徴的
  • 欧米ほど極端な変化ではないが、日本でも新型コロナウィルス感染症(COVID-19)後はシェアードモビリティや公共交通機関よりも私有車での移動が好まれる。日本では、8割近い消費者がCO2削減に貢献すべく行動変化を検討。特に徒歩・自転車・公共交通の利用・BEVへの切替を掲げる

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PDFファイル内の執筆者の所属・肩書は、レポート執筆時のものです。

日本語版第1章はこちら[PDF 7,027KB]

日本市場版「日本の消費者のニューノーマル」はこちら[PDF 3,011KB]

原文はこちら

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