2018年、世界のCEO交代率は17.5%で過去最高値

06/13/19

PwCグローバルネットワークのStrategy&は、世界の上場企業における時価総額の上位2,500社を対象に、CEOの承継について19年目となる年次調査をまとめました。今回および過去19年間の調査から次のような傾向が明らかとなりました。

【グローバル全体の特徴】

  • CEO交代率は過去最高 CEOの交代率は、調査開始以降最も高い17.5%(438社)でした。そのうち3.6%が解任による交代で、その理由は倫理的不祥事によるものが39%と最も多く、財務業績(35%)、取締役会での紛争(13%)を上回りました。
  • 女性CEOの起用は上昇傾向 2018年に就任したCEOのうち女性の割合は4.9%で、過去最高値であった2017年の6.0%に比べ低くなりましたが、調査を開始した2004年の2.4% からは2倍以上となり、上昇傾向にあります。今回最も女性CEOの就任率が高かった国はその他新興国、次いでブラジル、ロシア、インド、そして中国でした。
  • 長期在任CEOの後継者は苦闘 CEO在任期間の中央値は5.2年である一方、全体のうち19%が10年以上在任していました。長期在任CEOの後継者は、前任者に比べて在職期間が短く、業績が低迷し解任に至る率も高い結果となりました。また、約半数の後継者が、前任者に比べパフォーマンスのレベルが低下していました。

【日本企業の特徴】

日本企業に関し、いくつかの顕著な傾向が見られました。

  • 2018年、新任CEOの中央年齢は60歳と前回の調査より1歳下がりましたが、世界平均の53歳と比べて7 歳高く、他の地域に比べて最も高くなっています。
  • 一方、多くの調査項目で、日本の結果は世界で最低値となっています。他企業からの招聘が3%(世界平均17%)、外国人のCEO就任はなく(0%、世界平均15%)、他企業での職務経験は18%(世界平均72%)、他企業でのCEO経験は8%(世界平均26%)、MBA保有率は0%(世界平均33%)、新任女性CEOは0%(世界平均4.9%)でした。

Strategy&の組織・変革・リーダーシップのプラクティスリーダーであるパー・オーラ・カールソン(Per-Ola Karlsson)は、「長期在任CEOからの承継は、明らかに困難な挑戦です。長期在任CEOの後継者は、前任の伝説的なCEOや、同等の他のCEOに比べても、株主へのリターンも低く、解任される確率も顕著に高くなっています」と述べています。

日本におけるStrategy&のリーダーである三井健次は、主に日本企業のCEOの特徴的なデータについて、「日本企業はグローバルに比べて多様性が低いということが調査結果から分かります。各企業が目指すべき方向や競争環境によって異なるものの、変化が激しくさまざまな顧客への対応が求められる今日のマーケットにおいて、多様性を有することの重要性はこれまでになく高まっていることは明らかです」と述べています。

調査の概要については、以下の「2018年 世界の上場企業上位2,500社に対するCEO承継調査結果概要」(全27ページ)をご覧ください。

2018_CEO-Data-Media-release-JP.pdf

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