PwCの戦略コンサルティングを担うStrategy&は、2017年グローバル・イノベーション調査を実施しました。
この調査は、研究開発に多額の費用を投入した世界の上場企業のトップ1000社を「グローバル・イノベーション1000」として特定し、研究開発が企業業績に及ぼす影響等について評価を行い、高い費用対効果を生む手がかりを探るために毎年実施しているものです。
13年目となる2017年調査の結果、以下の動向が明らかになりました。
同時に世界のイノベーションリーダーへのオンライン調査を行い、その結果下記が明らかになりました。
調査を担当したPwC Strategy& 米国のプリンシパルであるバリー・ヤルゼルスキは、「この一年は、研究開発にとって良い面と悪い面の両方がありました。投資額は史上最高額。一方、イノベーションと企業戦略の間の整合性が、未曾有の下落を見せた年でもありました。政治的台詞に政策が実際に影響をうけるかどうかは別として、先行きの不透明感が中長期計画に懸念を生じさせていることに疑いの余地はないでしょう」
「また、経済ナショナリズムが今後も続いたとしても、企業によるイノベーションへの投資水準が変わらないと想定されますが、グローバルなイノベーション・モデルは進化する必要があります。多くの企業において、現在は敏捷で相互依存的なネットワークであるものが、今後はもっと自律的なハブへと発展し、現地や地域市場でスペシャリストの技術者を雇用し、将来はその中で研究開発拠点を開設する形になるかもしれません。そうなった場合に、効果的なマネジメントを実現できない限り、企業は効率性を失い、高いコスト負担を強いられる可能性があります」と述べています。