イノベーション成功への道: Strategy&第10回グローバル・イノベーション1000

2015-10-01

企業のR&Dを成功させることは、あらゆる経営幹部の課題である。しかしイノベーションへの投資が実際にうまく実を結ぶかどうかは、依然として、かなりばらつきがある。そのためR&Dは大きな投資が必要であるものの、革新的な製品やサービスが出てくるかどうかは分からないブラックボックスのようなものと捉えられている。 Strategy&の『グローバル・イノベーション1000』の調査目的の1つは、R&D支出の年次分析を行うことで、そのプロセスを明らかにし、どのような業界・企業にも適用できる普遍的な原則を見つけることである。

調査が10周年を迎える2014年、私たちは、R&D支出パターンに関する研究、イノベーション担当幹部に関する調査、さらに、イノベーションのパフォーマンスを向上させてきた企業の事例から得られた洞察など、10年間の調査内容を振り返ってみた。また、すべての主要地域や産業部門において500人以上のイノベーション・リーダーに対して、なぜ一部の投資が成功し、それ以外の投資は失敗するのかということについて、この10年間に学んだことを問いかけてみた。そして、そのことがそれほど不可解ではないということがわかった。 Strategy&は長年にわたって、R&D投資に対する利益を向上させることができる、その会社のコアとなる戦略を特定してきたが、好結果を生む重要な成功要因の背後には何らかのコンセンサスがあることを目の当たりにした。たとえば、私たちが聞いたその主なメッセージの一つは、イノベーション・リーダーたちが、特にイノベーションと事業戦略をより緊密に連携させることによって、また明示的・暗黙的な顧客のニーズに関して、より優れた洞察を得ることによって、R&D投資のより有効な活用において自分たちは真の進歩を遂げたと感じているということである。そして実際に、Strategy&の2014年調査の回答者の44%が、現在の自分たちの会社は10年前より優れたイノベーターであると答えており、 32%が以前よりずっと良くやっていると答えている。一方、悪くなったと回答したのは、わずか6%のみである。

Strategy&は次の10年を見据え、自社のイノベーション・プラクティスについてどのような発展を期待しているかを調査回答者に尋ねたところ、非常に多くの改善余地があることがわかった。今後10年間のイノベーションを成功させるために必要な諸要素を備えていると感じているのは、わずか27%だったのである。将来、企業のイノベーション目標は変化すると思われるが、そうした専門知識を得ることはより重要になるだろう。実際、回答者の多くが、漸進的イノベーションから新しく画期的なイノベーションへ、製品R&DからサービスR&Dへと、今後10年間にわたりR&D支出の組み合わせをシフトする計画であると述べた。

また、本研究では、過去10年間のR&D支出の動向に関する洞察も提供している。「グローバル・イノベーション1000社」のイノベーション費用の増加率は、2014年には1.4%まで著しく鈍化した――これは、過去10年間で最低の増加率である(R&D支出は、2010年に金融危機と景気後退をきっかけに一度だけ微減した)。

最近2年間、成長が減速している原因として、今日のグローバル経済に漂っている不確実性の雰囲気や、世界各地で頻発している地政学的混乱も考えられる。しかしながら、10年間のデータをよく見ると、別のもっとシンプルな原因が示唆されている。それは「平均水準への回帰」である。成長の減速は、平均以上の成長率だった2011年(10.3%)および2012年(9.7%)の後に起こっており、R&D支出の伸びは、2005~2014年の平均5.5%の年平均増加率に徐々に近づいていくように思われる。

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日本における担当者