急速に発展する「ロボコノミー」における自動車メーカーの戦略の再構築

自動車業界のデジタル化に関する最新トレンドと自動車メーカーの戦略の再構築の方向性を詳細に解説しています。2013年から2016年まで『コネクテッドカーレポート』として発行していたものを今年から『デジタル自動車レポート』とタイトルを刷新しました。

調査概要と内容

自動車業界における革命

エグゼクティブサマリー

モビリティ市場は2.2兆ドル規模へと成長する潜在力を持つ一方で、利益率の面では、今日のプレーヤーが得ている利益シェアの半分となる見通し

  • モビリティ市場は、確かに将来的に2.2兆米ドル規模の市場へと成長する見通しであるが・・・
  • シェアード/自動運転の実現に向けたデジタル自動車革命は、猛烈な競争、利益率圧迫、巨額の設備投資支出を発生させている
  • 競争、テクノロジー、規模により、シェアリングされる輸送手段の使用にかかる1キロ当たりの平均価格は、現在の水準の50%以下へと下がる
  • それにより、2030年までに消費者がモビリティにかける支出は10%減少する
  • 成長し続けるシェアード/自動運転/フリート販売のセグメントによって、現在の所有者/運転者/小売販売モデルでは、欧米の自動車メーカー、サプライヤー、ディーラー各社は、業界全体において彼らが占める利益のシェアが、85%から半減するだろう
  • 結果的に欧米の自動車市場は縮小することとなり、自動車メーカーやサプライヤーは整理統合を余儀なくされる
  • これら全ては、もはや止めることができないトレンドによって推進される
  • 2030年までに、移動距離の最大37%は、シェアードカーおよび自動運転車(または乗合サービス)によるものとなる
  • 成熟した輸送市場において高級車を購入する世帯は、シェアードモビリティに年間3,800ドルの支出を行う
  • 完全なシェアードモビリティ市場、すなわち、シェアードフリート、乗合サービスは、現在のEコマース世界市場とほぼ同額程度の市場規模へと成長する
  • 2030年、シェアードモビリティは激烈な競争市場、かつ地域・現地固有の市場となり、自動車メーカー、デジタル技術企業、地方自治体、公益企業、輸送当局、物流会社、Eコマース・フリート企業などがプレーヤーとして関与する

この市場で競争していくために、自動車メーカー各社は戦略の再構築を必要とする

  • 自動車メーカー各社は戦略を修正し、株主の利益と一致させていく必要がある
  • シェアードモビリティは今日、ほとんど利益が出ておらず、また完全自動運転の実現は最も早くて2027年頃と推定
  • 自動運転車のフリート増強および顧客獲得の資金源として、ハイリスクな巨額資本が必要
  • 自動車メーカーの経営層は、以下のいずれかの選択肢から選ばねばならない:
  • (1) 新興の「キャリア(事業者)」にフリート運営、モビリティ・プラットフォームのプレーヤー等は任せ、自社は「ニッチな専門家/デザインショップ」となる
  • (2) モビリティ市場への浸透、新規投資家の確保、新たな多角化戦略の実行に大胆にコミットする
  • いずれの選択肢を選ぼうと、自動車メーカーは人材確保に苦労することは避けられない。ソフトウェアおよびインターネット企業が研究開発費用を年率15% で増大させていくためである

01 自動運転・電気自動車・コネクテッドカー:普及の時期

新車売上(世界予測)

設置車両ベースと主な想定事項

レベル5の自動運転車の主な要素別実現時期の予測年表

レベル5の自動運転を実現するための主なアルゴリズム上の手段

参照される基準車両のモビリティ費用


02 モビリティ市場の規模と影響… およびロボコノミーの成長

モビリティの概観

モビリティサービスの大半は、地域・現地固有の市場となる見通し

モビリティサービスの長期的発展

モビリティの種類の分布(「道路」を走行した総人キロに占める割合(%))

世界のモビリティ市場

シェアード・モビリティ(MaaS)市場の推定規模推移、米国

将来のバリューチェーンの統合の戦い方の例

バリューチェーンの深度―資産重厚型vs. 資産軽微型


03ロボコノミーによって再編成される業界の利益構造

ロボコノミーにおけるデジタルサービス機会

自動車メーカーによるデジタルサービスの機会、2030年

デジタル・モビリティのサービス業界

シェアード自動運転(ロボタクシー)が実現した場合の世帯によるモビリティへの支出における業界別内訳

ロボコノミーにおける戦略的コントロールのための結節点


04自動車メーカーにとっての緊急課題―サービス事業の成功に向けて

モビリティとサービスに関する顧客の視点

デジタルサービスのクラウドにおける生態系環境

従来型事業vs.デジタルサービス事業の特徴

自動車メーカーのケイパビリティに関する示唆

世界の研究開発費ランキング

人材を巡る争奪戦—テクノロジー企業は強力な研究開発部門を持つ 各業界における研究開発支出の増減

デジタル・プレーヤーによる「設計による拡張」

イノベーションの拡張から得た教訓


05 展望:空と地下活用の兆し

将来のモビリティにおける潜在的な選択肢


PDFファイル内の執筆者の所属・肩書きは、レポート執筆時のものです。

Fast and Furious: Why making money in the roboconomy is getting harder, September 11, 2017。