グローバルな消費財企業におけるFit for Growth変革

年商数十億ドルの消費財企業であるクライアントは、複数の領域(「事業」)かつ多数の地域(「市場」)で事業展開する企業でしたが、困難な状況に直面していました。

状況

複数の事業領域(「事業」)と地域(「市場」)で積極的に事業展開する年商数十億ドルの消費財メーカーであるクライアントは、困難な状況に直面していました。売上成長の限界、減少する市場シェア、利益率低下といった問題です。経営陣は状況を分析した結果、複数の根本原因を特定しました。組織の複雑性による意思決定の遅さ、過大な間接部門費、イノベーションの取り組みの成果が限定的、製品開発のスピード不足に加えて、最終顧客とのつながりを確保できないという問題を抱えていました。

クライアントはStrategy&に、野心的な事業改善・コスト削減計画を支援してくれるよう依頼しました。計画は、「事業部門よりも上層で発生する」全ての原価をリストラすることによって3年間で13億ドルの経費削減を実現することを目標としました。全ての本社(サポートと事業)機能とシェアードサービス、全ての組織階層、事業部門、市場における間接費も対象となりました。目標削減額が大きいため、本社の役割も含めて組織の根本的な複雑性解消とオペレーティング・モデル改善に取り組むことも必要でした。

指摘された複雑性

指摘された複雑性

改革プログラムの主な成功要因

改革プログラムの主な成功要因

Strategy&の支援

以下の2つの主な施策を含む包括的な改革プログラムをクライアントが導入することを助けました。

  1. 新たな、より複雑性の少ない事業運営モデルによって機能的サポートを提供することを基本とした、抜本的なコスト削減プログラム。
  2. 削減した額の大半を、成長市場、顧客重視、イノベーション等の主な成長牽引要素へと再投資。

Strategy&の方法論は、素早く得られる成果を実現すると同時に長期的な事業運営モデル変革に取り組むというもので、新たな事業運営モデルを開発するために、明確な全体的設計原理を定義することから始めました。例えば、単純化(結果責任の所在を一ヶ所またはより少ない組織階層に集約等)、現地市場主導による新規開発への支援、組織構造を、差別化の源となるケイパビリティと一致させるなどです。次に、主要組織の主な部署間での意思決定権限の良好なバランスを達成する新たな組織構造を策定して、明確な説明責任、役割、決定権が設定されることを確実にしました。クライアントと共に、効果的な測定値とインセンティブの導入を可能とするために、主なプロセスを再設計して合理化し、共通のデータ・ソースを確立しました。

私たちがこの施策に全体的に取り組んだこと、組織の中へと緊密に根付かせるよう確実にしたことが主要な成功要因でした。最初に「事業部門より上部の」費用を削減することに集中して、本社も自腹を切って取り組む意思があることを明確に示しました。削減された費用分の資金はケイパビリティ構築へと再投資されて、本施策を、より幅広い成長戦略の一環と位置付けることに役立ちました。また、進行中の全ての施策はFit for Growthプログラムへと緊密に統合することで、全ての活動が一つの共通目標の達成に向けて整合化されたものとなることを確実にしました。これによって迅速に成果を達成し、また一つ本社主導での施策が導入されることに対して、組織からの抵抗を避けることができました。

成果

施策は、プロジェクトの目標通りの構造的なコスト削減実現に向けて着々と進行しています。

クライアントは今、コスト抑制を維持しつつ、さらなるコスト削減を実現するために必要な、堅固なコスト管理のケイパビリティも持っています。組織は、生産性向上とコスト意識の高い思考態度の定着の他、コスト面でのパフォーマンス指標を制度化、組織全体でコスト管理ツールとプロセスを導入することに成功しました。

また、クライアントは、より合理的な形へと組織変更しました。マトリックス構造がよりシンプルなものとなると同時に、新たなオペレーティング・モデルは、会社のケイパビリティおよび戦略に適合したものとなりました。

プロジェクトの成果

プロジェクトの成果

A practical approach to business transformation

Amazon.comで1位(Production and Operations分野)を獲得した原著「Fit for Growth-A practical approach to business transformation」の邦訳版が登場

新刊『成長への企業変革―ケイパビリティに基づくコスト削減と経営資源の最適化』

ダイヤモンド社より、2017年11月22日発刊

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クライアント事例: Fit for Growthを導入した実例

コナグラ (Conagra) : 戦略的な抜本改革
コナグラ・ブランズは、徹底した企業改革により、年商80億ドルの「純粋に本業のみに絞り込んだ(pure-play)」ブランド消費財製造企業となりました。以前よりはるかに焦点の合った、より強力な成長志向の伴うケイパビリティ(組織能力)、敏捷な組織、凡庸な結果に満足せず挑戦を続ける文化を備えた企業へと生まれ変わりました。
S&P Globalにおける企業変革
数十年間、買収を続けてきた企業が、賢明な会社分割の判断を下せた理由は?-S&P Global(旧:McGraw-Hill Companies)は、金融情報とアナリティクスというコア・ケイパビリティに集中して利益率向上と成長を実現するために、教育事業を会社分割してオペレーティングモデルを改革し、企業価値を230億ドル増大させました。