米国の大手小売企業におけるFit for Growthを用いた全体的な事業改革

米国の大手小売企業であるクライアントは、積極的な新規出店戦略によって劇的な成長を遂げてきました。

状況

米国の大手小売企業であるクライアントは、積極的な新規出店戦略によって劇的な成長を遂げてきました。この企業が出店目標の達成に近づくにつれ、CEOは、次の成長の波はどこに由来するか、成長を確実に実現していくために、どのようなケイパビリティを自社に備える必要があるかを検討し始めました。

事態を複雑化させていた要因は、販管費が売上の成長率を上回って増加していたことです。不動産投資熱がピークだった時期に、成長を加速させる戦略を取ってきたため、高コストな体質となっていたのです。さらに、顧客サービスをより良くするために行った人件費への投資も、目標とした売上成長を実現することなく経費を大幅に増加させ、全体的な利益率の低下を引き起こしました。

CEOは3つの目標を同時に達成したいと考えました。第一に、コストを10億ドル削減してコスト構造を改善し、株価を引き上げるという目標を掲げました。二つ目は、組織を再設計し、組織文化を活性化して実効性を高め、成長を促進するという目標です。最後に、削減したコストの一部を優先順位の高いケイパビリティへと再投資して、成長を実現するための体制を強化したいとも考えていました。

同社CEOは、大幅かつ長期的なコスト削減機会を特定し、組織の実効性を高めると同時に、企業を次の成長の波に乗せるケイパビリティを実現するため、Strategy&を登用しました。

課題:大手米国小売企業、売上の伸びが鈍化する一方で販管費が肥大化し、販管費率が悪化する事態に直面

大手米国小売企業、売上の伸びが鈍化する一方で販管費が肥大化し、販管費率が悪化する事態に直面

Fit for Growth のアプローチ

Fit for Growth のアプローチ

Strategy&の支援

CEOを支援するためにFit for Growthの手法を1年以上にわたって展開し、大幅なコスト削減、成長への投資を実現しました。手始めとして、小売企業のパフォーマンスをベンチマーク評価し、さらにStrategy&の、 組織のDNAプロファイラー®(英語)を活用して組織の実効性を評価し、改善目標を定め、強力な成長のための計画を策定しました。

この第一段階に続き、店舗人員の生産性や現場管理の効率性、本社組織の実効性、商品以外の調達の効率性などの分野における改善を図る、詳細設計段階が実施されました。 Strategy& のチームは、クライアント側の担当者チームと密接に連携しつつ、改善機会を精緻化、プロセスの再設計、実施の計画策定を行いました。同時に、専任のチームを編成、成長領域に優先順位付けして、削減した費用の一部を投資しました。さらに、成長を実現するのに適した組織へと再設計する支援をしました。

成果

この小売企業は、3つの目標全てについて、施策によって大幅な成果を得ました。目標とした領域において10億ドルを超える正味のコスト削減を達成するとともに、初年度に計画を超えるコスト削減を実現できたのです。新たな経営層の会議体、意思決定プロセス、パフォーマンス管理、人材開発プロセスによって、同社は組織としての実行力を向上させ、パフォーマンスの高い企業文化をさらに強化することで、成長を実現したのです。それと同時に、同社は、ターゲットを絞った再投資を通じて、顧客インサイト、マーチャンダイジング、マーケティング、ネット販売のケイパビリティも強化しました。同社CEOとCFOは、この施策が会社の全般的パフォーマンス改善に貢献したと公的に認めました。また、18ヶ月で株価が40%も上昇したことも、施策が成功したことを証明しています。

正味のコスト削減額と成長への再投資

正味のコスト削減額と成長への再投資

A practical approach to business transformation

Amazon.comで1位(Production and Operations分野)を獲得した原著「Fit for Growth-A practical approach to business transformation」の邦訳版が登場

新刊『成長への企業変革―ケイパビリティに基づくコスト削減と経営資源の最適化』

ダイヤモンド社より、2017年11月22日発刊

アマゾンで購入  楽天ブックスで購入  紀伊国屋書店で購入

クライアント事例: Fit for Growthを導入した実例

コナグラ (Conagra) : 戦略的な抜本改革
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