Miki Iwamura
岩村 水樹 氏

現在まで
岩村氏は2007年にグーグル株式会社のマーケティング本部長に就任。日本におけるマーケティング責任者としてグーグルのビジネス製品やコンシューマー製品のマーケティング戦略の策定及び実行を統括しています。グーグルのマーケティングは’Connect users into a magic’という世界共通のコンセプトのもとで各市場特性に合わせて実施されており、日本でも独自に活動を行っています。例えばB2Cマーケティングでは、世界で初めて日本でテレビを活用したクロスメディアでのキャンペーンを実施し、その成果が認められ、いまでは世界の他の市場にも広がっています。B2Bマーケティングでは、いまだデジタル化率が他国に比べて低い日本の広告市場において、大手広告主、大手広告代理店に対して、デジタルを活用したより良い顧客とのリレーションづくりに向けた活動などを行っています。

こうした幅広いマーケティングの成果により、現在グーグルは日本市場において高い評価と実績を有しています。日経リサーチによる企業ブランド評価調査において、過去10年で最も高い評価を受けた企業として第一位を獲得するとともに、ニールセンのスマートフォンでのウェブサービス評価調査においても第一位に輝きました。岩村氏がグーグルにマーケティング本部長として参画した当初、他のウェブサービスが日本市場を圧巻していたという状態から、とても大きな成長を成し遂げています。

B2B市場の今後の成長の可能性を期待する岩村氏は、上記B2Bマーケティングに加え、例えば中小企業に対するデジタル市場でのマーケティングなどの分野に積極的にチャレンジしていきたいと述べています。

入社前後
岩村氏は1988年東京大学教養学部卒業後、株式会社電通に入社。そこで 5年ほどマーケティングコミュニケーション戦略の策定・実施を手掛けたのち、スタンフォード大学にてMBAを取得。その後1995年にブーズ・アレン・ハミルトン (現 Strategy&)に参画し、シニア・アソシエイトとして、IT、メディア、エネルギー、消費財企業等に対してマーケティング戦略提案、事業再構築、新規ビジネス立案等のコンサルティングを手掛けました。

その後、コンサルティングで培った戦略立案や実行などを実際にビジネスの現場で試したいと考え、2000年に卒業、CMOとしてインターネット写真サービスのベンチャー経営を経て、ラグジュアリーブランドの日本市場でのブランドマネジメントを成功に導いたのち、グーグルに参画。

弊社での経験は、現在のお仕事の礎として生かされていますか?具体的に教えてください
岩村氏: はい。MBA時代に机上で学んだことをとことん身に付けるというビジネスの筋トレ的な経験ができ、現在の仕事の礎となっています。特に今役立っているスキルとしては三つあります。

まず戦略的思考です。グーグルでのマーケティングは、各市場における戦略策定を担っているところがあり、そこで必要となる考え方は、コンサルタントとして培った戦略的思考が基礎となっていると感じています。

二つ目は、コミュニケーションです。グーグルのようなクロスカルチャーなグローバルな会社では、コミュニケーションが圧倒的に重要です。自分たちのビジネス・プランを説得するための論理的なプレゼンテーションやコミュニケーションの能力は、多くの難しいコンサルティング・プロジェクトで鍛えられ、現在にも生きる大変重要なスキルの一つです。

最後はリーダーシップです。グーグルでは自分のチームだけではなく、製品チームや営業チーム、または海外のチームなど様々な専門チームと一緒にプロジェクトを進めていきます。上述のコミュニケーションにもつながりますが、どのようにして人を動かすか、信じてついてきてもらうか、あるいは難しい人を説得するかといった局面で、コンサルティングで学んだ、クライアントとのチームづくりなどが非常に役立っています。

プロジェクトやご経験などで思い出に残っていることを教えて下さい
岩村氏: プロジェクトでは、エネルギー会社の輸送の最適化や、人材会社のグローバル戦略、その他製造業のプロジェクトなど、非常に幅広い業界の様々な課題にチャレンジしてきました。クライアントとの現場でのやり取りや同僚との思い出などはたくさんあります。

こうした経験ができたのも、女性として特別扱いされることが全くなく、中には男性中心の業界のクライアントもあったと思いますが、そうしたことに関係なくプロジェクトに関与させてもらえたということがあったからだと思います。女性としてとても働きやすい環境で伸び伸びと力を発揮でき、非常によい経験を積むことができたと感じています。

若いコンサルタントに一言アドバイスをお願いします
岩村氏: まず、常にオープンな気持ちでいて欲しい、ということです。コンサルティングには常に新しい学びのチャンスが多数存在するので、とにかくどんなことでも自分の力になると思って挑戦してみてください。