Natsuko Seto
瀬渡 奈津子
Senior Associate

瀬渡 奈津子 の経歴

  • 慶應義塾大学法学部卒業。シカゴ大学大学院国際関係学修士課程修了。
  • アメリカ・ワシントンDCのリサーチ・コンサルティング会社(環境・エネルギー部門)での勤務を経て現職。

 

私が戦略コンサルティングに興味を持った頃、Strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー)のパートナーがコンサルタントの基本要件として「3つのタフネス」について語っている記事に出会い、強い印象を受けました。3つの「タフネス」とは知的タフネス、身体的タフネス、精神的タフネスのことです。実際に戦略コンサルタントとしてのキャリアを歩み始め実感したことは、数ある職業の中でもこの仕事では、これら3つの「タフネス」が非常に高い水準で求められるということです。考え抜く前に諦め、知的怠惰に陥りそうになる瞬間。連日、作業が深夜や休日におよび、体力的につらい局面。限られた時間の中で、クライアントへ価値を提供しなければならない精神的プレッシャー。プロジェクト中は、こうした状況が重なることが多々あります。しかし、たとえ3つの「タフネス」を持ち合わせていたとしても、この仕事に本質的な面白さを見出していなければ、あらゆる厳しい局面でこれらを最大限に発揮し続けることは難しいのではないかと思っています。

私の場合、この仕事を始めたばかりのころは、特定のテーマについて深く「知り」、「わかる」ことが最も面白いと思う瞬間でした。特に若手コンサルタントは、自分の担当しているパートの内容を細部まで理解していることが求められます。時にはクライアントや業界エキスパートとされる人々よりも詳しくなることさえあります。

しかし、プロジェクトの経験が増すにつれ、「知る」ことや「わかる」ことだけでなく、クライアントのために考え抜き、クライアントと一緒に良いものを作っていく面白さを少しずつ実感できるようになりました。先輩コンサルタントの方々に指摘されてきたことですが、私たちの仕事は言うまでもなく、クライアントにとっての価値を提供することであり、コンサルタントの知的探求心を満たすことではありません。「『クライアントにとっての価値』とは何か」を考え抜くためには、「自分自身の関心」ではなく「クライアントの関心」を常に意識することが求められます。クライアント側の現場社員は当事者ゆえに、課題全体のうちの一部にかかりきりになってしまうことがあります。コンサルタントは良い意味で第三者なので、常に課題全体にかかる「クライアントの関心」を意識していることが大切です。さらに、コンサルタントとしての検討結果を伝える際には、クライアントの様々な制約を理解し、個々人の立場や心情に配慮することも重要となります。こうして常にクライアントの方を向いて仕事をすることは、決して容易なことではありません。だからこそ、クライアントと一緒に良いものを作っていく面白さをより強く実感することが、コンサルタントとして成長する上で非常に重要なことだと感じています。私自身もコンサルタントとしてはまだまだ発展途上ですが、Strategy&の優秀な同僚や先輩方から日々多くを学び、今後も成長し続けたいとの思いで取り組んでいます。