自動車部品メーカー: 東南アジア成長戦略

背景

数々の自動車部品サプライヤーが東南アジアに進出している中、多くは生産拠点としての役割が主で、以前から日本で取引のあった得意客以外にビジネスを拡大できていない企業が大半です。

日本のある自動車部品メーカーの在タイ子会社は、業績不振にあえぐ日本の本社からの支援が十分に受けられないという事情もあり、現地で自律的に成長することを目指して、成長戦略策定プロジェクトを行うことになりました。クライアントの各事業部門のリーダー数名とStrategy& *のタイ駐在日本人コンサルタントによるチームを結成しました。

活動内容

プロジェクトチームがまず取り組んだのは、顧客・競合・自社を、客観的かつ徹底的に見つめ直すという、ビジネスの基本に立ち返ることでした。 クライアントは多くの製品カテゴリーにおいて自動車メーカーと直接取引する立場にありましたが、同じ製品カテゴリーであっても、相手方によって発注の意思決定プロセスやサプライヤーの選定基準は大きく異なりました。

チームは関係者とのヒアリングやワークショップ等を通じて、「現地の発注権限が強く、開発・設計に関してサプライヤーへの依存度が高い自動車メーカー」を優先ターゲットとすることが、最も投入リソース対効果が高いと試算しました。

また、競合に関しての情報が限られる中、他社が保有する技術や設備などを推定し、「自社が勝てる可能性が高い領域」を特定しました。 チームはこれらの分析結果を総合し、タイ国内だけでなく、マレーシアやインドネシアなどへの拡大展開も含めた、今後3年間の中期事業計画をとりまとめました。

成果

クライアントにとって大きな転換だったのは、優先すべき事業、顧客、案件タイプを明確にする一方で、「やらないこと」についても意思決定を行ったことです。赤字続きだった事業部門は他社への売却を決定したほか、採算が疑問視されていた顧客との取引は今後追わないことを原則としました。

結果、人や投資を勝てる分野に集中させ、自社の強みや実績を磐石化し、更に勝ち続けるといったグッドサイクルを確立させることができました。このタイ子会社は順調に業績を伸ばし、グループにとっての成長の柱と位置付けられるようになりました。

* 本プロジェクトはStrategy&に改称する以前に実施したものです。